婚約破棄される未来を変える為に海に飛び込んでみようと思います〜大逆転は一週間で!?溺愛はすぐ側に〜
ドウェインが以前の相手とは知らずにパトリックの為に懸命に努力していた。
それを見て彼はどう思ったのだろうか。


「今、僕は神に感謝しているんです。こうしてマデリーン様と向き合える日が来るなんて夢のようで……」

「…………ドウェイン様」

「こんなになるまで追い詰められていたなんて気付かなくて申し訳ありません。出来るならば今度は僕が貴女を守りたいんです……!!」

「え……?」

「記憶を失っているマデリーン様にこんな事を言うべきではないのかもしれません。ですが、記憶が戻ったら貴女の気持ちは兄上のものかもしれない……ッ」

「………!!!」

「兄上の為に、あんなに努力して尽くしているマデリーン様を見て……僕は嫉妬で狂いそうでした。羨ましくて仕方なかった」


(わたくしが頑張れたのはあの時の約束があったから……!)

そう伝えようとして唇を閉じる。
本当は記憶が残っている……そう言ったらドウェインはどんな反応を示すのだろうか。
それに、まだ卒業パーティーは終わっていない。
言葉を呑み込むように唇を噛んだ。


「こうして毎日ウォルリナ公爵邸に顔を出すのも、またマデリーン様が兄上の元に戻りたいと言うのが怖いんです……!僕は…………焦っているのかもしれません」


困った様に笑ったドウェインは今にも泣き出しそうだった。
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