婚約破棄される未来を変える為に海に飛び込んでみようと思います〜大逆転は一週間で!?溺愛はすぐ側に〜
昨日、ドウェインから言われた言葉を思い出して熱くなった頬を押さえていた。
今日はどんな顔をしてドウェインに会えばいいのか……そう考えていた時だった。


「ーーーお待ちくださいッ、困ります!」

「いいから、会わせて下さいって言っているんですッ!」

「お帰りくださいッ!旦那様の許可がなければ……っ」

「私は話したい事があって……!!」


部屋の外が妙に騒がしいことに気付く。
扉が勢いよく開閉されるバタバタと激しい音と侍女達の慌てるような声が此方に近付いてくる。

(どうしたのかしら……?)

廊下で激しく言い争う声に不安になり、じんじんと痛む足を引き摺りながら扉を開いてから外の様子を見る為に少しだけ顔を出すと……。


「……!!」


見覚えのある薄ピンク色のウェーブの掛かった髪。
明るい色のフリフリとした可愛らしいドレスと甲高い声……。

そこに居たのは信じられない事に"ローズマリー"の姿だった。

護衛や侍女達に止められているが、花の魔法を使い強行突破しながら一つずつドアを開いて中を確認している。

侯爵令嬢であるローズマリーに手荒な事をする訳にはいかないのだろう。
皆、言葉で必死に制してはいるが、彼女の耳には届いていないのか、お構いなしに廊下を進んでいく姿が見えた。
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