恋なんてしないと決めていたのに、冷徹御曹司に囲われ溺愛されました
 ひとり残された私は放心状態。
 なんだか本当に彼の恋人になったんじゃないかって思える。
 いけない。彼は恋人の振りをしてるだけ。
 勘違いしない。
 ここに置いてくれてるのも私たち姉弟に同情してるから。
 会社に今日休むことを連絡すると、ベッドに横になり目を閉じる。
 彼にこれ以上心配をかけないよう早く風邪を治そう。
 病気を治さなければしっかり働いて弟を養えない。
 次、目を開けるまでに熱を下げる。
 そう自分に言い聞かせるが、一条くんのキスを思い出してしまいなかなか眠れない。
「もう一条くん! 離れていても私を翻弄しないで!」
 枕に顔を埋めながら文句を言うが、彼がつけているムスクの甘い香水の匂いがほのかにしてまるで彼に抱きしめられているような気がした。
 こんなんじゃ絶対に寝れないと思うのに、なんだか心がリラックスしてきて優しい眠りに誘われた。

 
 
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