恋なんてしないと決めていたのに、冷徹御曹司に囲われ溺愛されました
 一条くんの視線の先には部屋の中を探検している歩がいた。
「ここもベッド大きい〜。ここに三人で寝るんだね〜」
 ひとり興奮している歩に歩み寄り、一条くんは優しく声をかける。
「そう。川の字になって寝るんだ」
 一条くん、とってもいい顔してる。
 歩だけでなく、彼にとっても同居はよかったのかな?
 このふたり、本当の家族に見える。
「さあ、夕食までちょっと時間あるから、ここの大浴場行ってみよう」
 三人でタオルと浴衣を持って一階の大浴場へ向かう。
 男風呂と女風呂が隣合っていて、歩に目を向けた。
「歩、どっちに入る?」
本人の希望を聞いたら、歩は当然のように「男風呂」と答えて一条くんの服を掴む。
 女風呂に入るのも恥ずかしい年齢になってきたから、ある程度その答えは予想がついていた。
「はいはい。一条くんお願いしちゃっていい? 歩、浴衣はまだひとりでは着れなくて」
「心配しすぎ。美鈴はゆっくり浸かっておいで」

 
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