恋なんてしないと決めていたのに、冷徹御曹司に囲われ溺愛されました
一条くんにトンと背中を押され、ひとり女風呂の暖簾をくぐる。
 なんだか寂しいな。
 でも、お言葉に甘えてゆっくりさせてもらおう。
 今まで自分をケアする時間なんてなかったけど、もうちょっとお洒落に気を配ろうかな。
 なんせ一条くんのような超絶美形がそばにいるんだもん。
 服を脱いで浴場に行くと、目の前が海でとても綺麗だった。
 灯台の灯りが見える。
 海はとても穏やかで、空にはまん丸の月が浮かんでいた。
 私以外に宿泊客はいなくて、身体を洗うと大理石の湯船に浸かる。
 湯加減はちょうどいい。
 なんだかここも貸し切りみたい。
 とっても贅沢な時間。
 お風呂入るのも歩とずっと一緒だったものね。
 母親は歩を妊娠した時、歩の父親と結婚できると思っていたらしいだが、結局結婚できず、歩を産むと母はまた新たな恋人を求めて遊び歩いた。
 赤ちゃんだった歩を何度預かったか……。
 
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