恋なんてしないと決めていたのに、冷徹御曹司に囲われ溺愛されました
 俺に指摘されて彼女は余計にパニックになる。
「だって……頭が混乱して……」
 心の中でギャーッとか叫んでいそう。
 今は美鈴の思考が手に取るようにわかる。
「美鈴、こっち見て」
 彼女の顎を掴んでその綺麗な瞳を捕らえる。
「美鈴って歩より世話が焼けるね。でも、そこがかわいい」
 クスッと笑って彼女に口づける。
 だが、抵抗すれば、やめるつもりでいた。
 レンタル彼女を頼んだ時は多少なりとも美鈴は経験があるかと思っていたが、一緒にいて男にまともに触れたこともないと実感していた。
 俺と指が触れただけで頬を赤く染める。
 そんな女、俺の周りにはいなかった。
 だから、守りたいと思うと同時に、俺の手で乱れさせたくなる。
 俺を拒むだろうか?
 彼女を観察しながらもっと深くキスをするが、抵抗する様子はない。
 驚きつつも俺の口づけに応えている。
 これならもう少しスキンシップを増やしても大丈夫そうだ。
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