恋なんてしないと決めていたのに、冷徹御曹司に囲われ溺愛されました
コーヒーが運ばれて来ると、彼は今日の見合いについて、自分の名刺を出して説明を始めた。
「話はオーナーから聞いていると思いますが、あなたには僕の恋人の振りをしてもらいます。見合いの場所はこのホテルにあるフレンチレストランです。恋人という設定上、あなたの肩や腰、それに手に触れることがあると思います」
 表情を変えずに淡々とした口調で説明する一条くんとは対照的に私は狼狽えて声を上げた。
「ええっ、それは困ります!」
「オーナーの了解は得ていますし、今回の依頼に百万円支払う契約になっています」
「ヒャ……百万!」
 金額を聞いて絶句する。
 叔父さん、恨むよ。
 お金に負けてボディータッチオーケーするなんて……。しかも私になんの説明もないじゃないの。
 叔父の拝金主義にも困ったものだ。
「ほんの短い時間です。相手は多分怒って帰るので、恋人の振りをするのも二十分もないと思いますし、接触は必要最低限にしますので」
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