恋なんてしないと決めていたのに、冷徹御曹司に囲われ溺愛されました
 座卓の上にはお寿司やカニすき鍋などの料理が並んでいた。
「クリスマスに猫カフェで会った時に教えてくれたらよかったのに」
 まだどこか信じられない思いでポツリと呟いたら、絢斗が謝った。
「ごめん。勝手に正体をバラしたらじいさんに煩く言われると思って」
「まあ、絢斗を責めないでやってくれぬか、美鈴ちゃん。あっ、そうだ。歩くん、お年玉だよ」
 秀さんがご祝儀袋に入ったお年玉を歩に差し出す。
「かわいいポチ袋じゃなくてすまないね」
 秀さんがそう言って謝るが、そのご祝儀袋の厚さを見てギョッとした。
 普通、五歳の子なら五千円でもいいくらいなのだけれど、いったいいくら入っているのか。
 中を見るのが怖い。
 今朝だって絢斗が『歩、お年玉だよ』と言って五万円渡したのだ。
 歩は受け取っていいのかわからず私の方をチラッと見たが、絢斗に「受け取っていいんだよ」と言われ、ご祝儀袋を手にした。
「秀さん、ありがとう」
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