恋なんてしないと決めていたのに、冷徹御曹司に囲われ溺愛されました
「よかった」
 歩の感想を聞いてホッとする。
 バレンタインデーって今まで弟のためにしかチョコを作らなかったけど、今年は違う。
 絢斗、喜んでくれるだろうか?
 そういえば高校の時、たくさんの女の子が彼にチョコを渡そうとしたがみんな断られていた。
 さすがに私があげて断ることはないだろうけど、バレンタインとかのイベントはあまり彼は好きではなかったような気がする。
 絢斗に渡すのはやめようかな。
「美鈴、どうしたの?」
 歩が怪訝そうな顔をするので笑って誤魔化した。
「ううん、なんでもないよ」
 その後弟を寝かしつけるとキッチンに行き、ラッピングしたブラウニーをしばし眺める。
 彼は甘い物はそんなに好きではない。
 やっぱり渡すのはやめよう。
 女子高生みたいにはしゃいで作って恥ずかしい。
 まあ、歩が喜んで食べてくれたからそれでよしとしよう。
「証拠隠滅」
 ラッピングの封を開けてブラウニーをパクッと口にする。
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