目の上の義母(たんこぶ)
「…なにかあった?旦那とケンカでもした?」


晴馬の問いに、わたしは黙って首を横に振る。


「そっか…」


それだけ言うと、晴馬はなにも聞いてこなかった。



とうやら、これはいわゆるドライブのようで、晴馬は目的もなく車を走らせてくれた。


「わたしと2人でいるところをもし彼女さんに見られたら…、まずいんじゃないの?」

「それはお互いさまだろ?それに俺たち、もうとっくにそういう関係じゃないじゃん。今はただの友だちだろ?」

「…うんっ、そうだね」


その言葉に、なぜか安心した。


わたしたちは、もう恋人同士ではない。

だけど、なにもなかったただの友だちというわけでもない。


付き合っていたときは、わたしの悲しいことも辛いことも晴馬は共有してくれた。


…だから、その名残りなのだろうか。
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