月下の恋人…missing
「ええ――っ!光彦さぁん!」
『帰るから送って』
「はいっ!了解しました」
社長の一件で、いつも以上にテンパったタケシは可笑しな返事をして、車を回しに行った。
『変わんねぇなぁ…』
一人になった応接室でタバコに火を着けて、辺りを見渡す。
スカウトされて、初めて社長に会ったのもこの部屋だった。
あの頃は――――…
その日を乗り切るのに精一杯で、毎日が楽しかったり悔しかったり