月下の恋人…missing



『俺はこれから何があっても絶対に後悔しない。まゆは俺が守るから。』



泣きじゃくるまゆの体を離して真っ直ぐに見つめる。


まゆが流した涙を忘れないように。



俺を想って強がって苦しんだまゆの気持ちを



この痛みを決して忘れないように。




『絶対に俺が守るから。もう二度と俺から離れるな。』




コクッとうなずく頭をもう一度引き寄せて抱きしめて




その夜、俺達は一つになった。



月明かりに照らされたまゆはとても綺麗で儚くて


ガラスのように繊細で壊れてしまいそうな心に俺の心を重ねて



夜の闇に落ちて行った。


ただお互いを好きだと言う気持ちだけをたよりに。




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