月下の恋人…missing
「ん────…」
眩しさで目が覚める。
カーテンを閉め忘れた窓からは、夏の空気を朝日が静かに照らしていた。
顔を上げると、普段からは想像がつかないくらいに幼い光にぃの寝顔があって
この無邪気な寝顔を知ってるのは私だけなんだと思うと、緩む頬に一人で恥ずかしくなってシーツに顔を埋めた。
光にぃはどんな夢を見てるんだろう。そこにまゆは出てくるのかな…。
光にぃと付き合うようになってから、あの夢は見なくなっちゃった。
小さな頃の約束の夢
あの夢に苦しんで、そして救われた。
今となっては現れない幼い頃の私達。
夢でまで光にぃに逢いたいなんて欲張りだね。
クスッと笑って光にぃの腕の中からゴソゴソと抜け出してシャワーへ向かった。