月下の恋人…missing



鏡の中の自分と向き合うと、首筋にくっきりと残された昨日の夜の記憶を見つけて、恥ずかしくなって目を反らす。




同じ自分なのに、全く違う自分になってしまったようでくすぐったい気持ちでいっぱいだった。




『ま──ゆ』




洋服に着替えてシャワーから出てくると、まだベッドに寝転んだままのトロンとした光にぃと目が合って




『こっちおいで──』



「ちょっ…まだ髪濡れてるから」




腕を引っ張られて、抵抗も虚しくベッドの中へ引きずり込まれる。




『大好き…』




呟かれてあたふたと戸惑ってると、光にぃは私を腕の中へ抱いたまま又すやすやと寝息をたて始めた。




1人置き去りにされても恥ずかしい気持ちはまだ続行中で



それでも笑顔になる自分がちょっと悔しい。




光にぃの腕の中の優しさに包まれながら、ふと昨日空港からここへ来る間にタケシさんと話した事を思い返す。





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