貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
「さすがに疲れたな!」

祝賀会は歓談の時間に入り、私たちは控室に戻っていた。

まず、伸びをしながら大きな声を上げたのは、いっちゃん。

「一矢、寝た? ちゃんと食べてたの?」

澪さんは心配そうに、いっちゃんの顔を覗き込んでいる。今、ここでそんなことを尋ねると言うことは、2人もしばらく会ってなかったのだろう。

「あ~。なんとか数時間。それより俺は、お前の飯が早く食いたい」

そう言うと、いっちゃんは甘えるように澪さんに抱きつき、澪さんは「はいはい。帰ったらね?」と言いながら、背中をポンポン叩いていた。

「創ちゃんも、だよね? ……あの、結局、何がどうなったの?」

よくよく見ると、創ちゃんの顔は少しやつれて目の下にはクマができている。その顔を見ながら、私は尋ねた。

「あぁ。全部話そう」

そう言われ、私たちはテーブルに移動した。澪さんが気を利かせて、2人に軽食を頼んでくれていて、それを食べながら創ちゃんは語り出した。

「結果から言うと、専務は不正経理、業務上横領の容疑で捕まった。それが昨日の夕方。そこから臨時総会開いて、専務の解任と、引責辞任した社長の交代が決まったのが今日」
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