貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
「?どうかしたか?」

そこでようやく私を見て、いっちゃんはそう尋ねる。

「今……部長……。部長って言ったよね?いっちゃん部長なの⁈」

私が大声を上げ、いっちゃんは自分が言ってしまったことに気づいたようで「あ。……」と声を漏らした。

「いや、その、あれだ。部活の部長みたいなものだ」

その場を取り繕うような台詞に「そんなわけないでしょ!みー君のことも知らなかったし、いっちゃんだって!まさか……ふう君も?」と最後に恐る恐る尋ねた。

まさか、社長ですとか言われたらどうしよう?

けれどいっちゃんは急に冷静な顔になると、「いや、あいつは普通だ。自分の力だけでのし上がるんだと」と返してきた。

そしてまた、いっちゃんは自分の失言に気づいていないようだ。

ふう君が自分の力だけなら、いっちゃんとみー君は違うの……?

もう私は頭がショートしそうで、深呼吸するように息を吐くと、もう考えないことに決めたのだった。
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