貧乏大家族の私が御曹司と偽装結婚⁈
本格的に仕事が始まり、あっという間に1日は過ぎて行く。気づけば入社して1週間。今日は2度目の金曜日。そして、歓迎会の日でもあった。

清田さんは残念ながら不参加で、私は向かいで黙ってお酒を飲む主任を横目に、何故か役員を代表して参加したと言う専務の相手をしていた。そして、そんな私達の周りには誰もいない。みんな不穏な空気を察したのか、それとも可愛らしい桃花ちゃんと喋りたいだけなのか、2つ机を挟んだ向こう側にいる桃花ちゃんに群がっていた。

「与織子ちゃん。今度ランチ行こうよ。いい店知ってるんだ」

私の左側で、机に肘をついて私を覗き込みながら専務は言う。

っていうか……ちゃん付け⁈

私の心の声を代弁するように、ムスッとしたまま主任が口を開いた。

「専務。朝木にだけそのような態度を取られるのは如何なことかと思いますが?」

主任が不機嫌そうなのはいつものことだけど、今は、より鋭い視線で専務を見ている。
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