ほどけるいと。
名字で名乗ったからか,戸惑いがちに,それでも親しげに呼んだ女性に,私もまた戸惑う。



「えっと…失礼ですが,どちら様でしょうか?」

『1度だけ,遊んで貰ったことのある子供です。その時に連絡先を教えて貰って…里桜って言います……覚えて,ない?』



敬語が外れてしまうところが可愛いと私は思った。

そして名前を聞いて,驚きつつも嬉しくなった私は勢いのまま立ち上がる。



「里桜?! ほんとに…やっと……もう来ないかと思ってた…! えーと,今」

『19だよ! 琴音ちゃん! あと数週間もすれば大学生! 大人になったらって,約束したから』



元気のいい喋り方は,昔のままだった。



「久しぶりだ…」

『だから,真鈴も里美も…!』
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