ほどけるいと。
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「真鈴,真鈴呼んできて!!」

「え,え?」

「里桜の声でかすぎて,呼ばなくてももう来てる」

「嘘だ~っ気になって階段の近くに居たんでしょ」



私はふんっと鼻で息を吐くと,真鈴に捲し立てる。



「覚えてた! 声めっちゃかわいかった! そんでもってまだ28,しかもフリー! ふったのかフラれたのか知らないけど,流雨もいない!」



多分,あれはふった方だなと検討をつける。

女の勘くらい,私も持ってる。

えっへん。



「まぁでも…流雨以上の人がいないって感じだった。だけどね,結婚は意識してたから,手遅れになるかもね」



良かったねと笑えば,情報量の多さに気圧されていた真鈴は微妙な顔を浮かべる。

ずっとライバル視してたから。

変な意地張っちゃって。



「もー。流雨がいたら結婚だってとっくにしてたかもしれないんだからねっ」



分かってるよ。

流雨がいたら,あのままの仲の良さなら勝ち目無いって,真鈴が思ってたこと。

ちゃんと諦める算段,つけてたこと。
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