ほどけるいと。
「わっちょっとちょっと! 首まで真っ赤! 大丈夫…?」



眉を下げた由芽が,私の顔を覗き込んだ。

もぅ,なんなの…



「もう! 私はてっきり流雨くんに行くのかと思ったのに! それ,誰のなの?」

「わっ私のだよ。…貰った,から」

「! へぇ,誰に? このクラスにいるの?!」



興味津々と言った様子で,由芽が前のめりに聞いてくる。

私は仕方なく,呼吸を落ち着けてしぶしぶと答えた。


「だっだから…その,流雨くんが,くれて」

「えー?! なにそれなにそれ! どういうこと…」

「もっもう話さない! 良いでしょ別に。シャーペンを貰った,ただそれだけなの!」

「えへへ~」

「な,なに」

「んっ? ひみつっ」



由芽は心底楽しそうに,しっと人差し指を口元に寄せた。
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