失恋通告ラブレター
「こなっちゃん、別れたの?関目君と」

顔が急に強張った。みかちゃんは紙パックのいちごミルクをちゅるちゅる吸いながら、私の席にやってきた。関目は隣のクラスだった。

「別れてない」

「なんか人生のどん底って顔してたよ、関目くん。絶対、こなっちゃんじゃん」

それを正面切って話に来るのがみかちゃんの凄いところだ。しかもこのことに噛んでることも本人は知っているだろう。食えない。
そのことにいらついて、みかちゃんに八つ当たりをする。

「みかちゃんはどんな男でも手玉にできるんだから、私の彼氏慰めてあげてよ」

みかちゃんは嫌味をさらりとかわして、ひょうひょうと言ってのける。

「さすがに友達のおさがりは嫌だよ、まあ私も彼氏いるし今はいいかな」

「え?」

「今のところオンリーワン見つけたから、他がいらないーってなっちゃったのよね。意外でしょう」

うふふ、と笑うみかちゃんは邪気がない爽やかな微笑みを向けた。
思わず興味がわいて聞いてしまう。

「どんな人?」

「自分と対等に扱ってくれながらも、少女にさせてくれる人よ」

また、難しいことを彼女に言われた。いつも、思想の一つ、二つ先を行っている。

「こなっちゃんは?どんなところが好きなの?」

「わたしは…」
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