もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです
 リンデンでは神にあやかって名をつけることが多いのだと説明され、シエルは満足そうにうなずいた。

「とても素敵な名です。あの子たちにも由来を教えてあげたいですね」

「ああ、また二人で煤の森に戻ったらそうしよう」

「だから俺の前で二人だけの世界に浸るなというのに」

 見つめ合う二人に文句を言ってから、アルドが肩をすくめた。

「シエルを呼べば、なにかしら進展があると期待した俺が馬鹿だった。先に進んだのはお前たちの関係だけじゃないか」

「進んだように見えるか?」

 心なしかグランツの声が弾んでいる。

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