もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです
 シエルは自分の手を握り締め、ためらいながら言葉を続けた。

「できないことはないのかもしれません」



 時間の無駄を惜しんだグランツは、すぐに扉の外にいた騎士に伝言を告げた。

 しばらくしてアルドが薬の欠片を手に現れる。

「こんな欠片とも呼べないくずから、使われたものを特定できるのか?」

 アルドが言う通り、丁寧に布に包まれた薬はほとんど粉と変わらない。

「罪人を使って、どういった毒かを特定しようとしていたのにな」

「シエルを怖がらせるような話をしないでくれ」

「過保護だ」

 グランツに咎められたアルドが文句を言う。

「おそらくは問題なく特定できると思います」

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