もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです
『私のおかげで殺されずに済んだってわかるわよね? だから、あなたを魔女にした私を恨まないでほしいの。呪うのもだめよ。それから……復讐もしないで』

 直接ラベーラが手を下せば、シエルに呪われてしまうと確信していたような口振り。だから彼女はアルドを、グランツを使ってシエルを排除しようとした。

(私だけならばどうとでもなるけれど、グランツ様がラベーラ様の怒りを買っているのだとしたら……)

 シエルはぐっと自分のこぶしを握り締めた。

 真犯人だと気づかれないよう、回りくどいやり方で目的を果たそうとするラベーラに、初めて嫌悪感と強い怒りが湧く。

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