もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです
「もしも本当にラベーラ様が関係しているのなら、これだけで終わるとは思えません。このままではグランツ様が危険です。守らなければいけません」

 はっきりと言ったシエルに驚いたのはグランツだけで、アルドはおもしろいものを見たかのように肩をすくめた。

「この国に、お前を守ろうとする奴が存在すると思わなかったな。あのタスローを守る騎士団長だぞ? 普通は守られて当然だと考えるだろう?」

「だから俺はシエルが好きなんだ」

 短いながらも想いがこもった言葉を聞いて、シエルがはにかむ。

 グランツも穏やかに笑みを浮かべ、初々しい恋人たちの間に甘い空気が流れた。

< 290 / 477 >

この作品をシェア

pagetop