もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです
「温かくて、優しくて、美しいと思ったんだ。他人に見せてはならない魔法をためらいなく使う貴女の心が、私にそう感じさせたんだろうと今ならわかる。触れてはいけないものだと思うのに、どうしようもなく触れたくなるような……」

 グランツは言葉を詰まらせると、額に手を当てて息を吐いた。

「……世の中の男は、どうやって自分の気持ちを伝えているんだ」

 どう見てもグランツの顔は赤くなっている。

 照れているらしいとわかっても、シエルは戸惑うばかりだった。

(やっぱりわからない。どうして私なんかにそこまで言ってくださるのか。でも……)

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