もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです
「水を好む獣もいるのだな。犬猫は嫌がるものだと思っていた」

 シエルはグランツに背を向け、木のうろの家に入った。

 少し前までは枯草を敷き詰めただけの粗末な住居だったが、今は違う。

 床にはやわらかな絨毯が敷かれ、グランツの指示で組み立てたベッドやテーブルがある。食器や調理器具も揃い、うろの入口を覆うだけだった木の板もちゃんと扉として改良されていた。

(グランツ様のおかげでこんなに住みやすい場所になったのだから、いつかお招きできるといいのだけど)

 そう思いながら、シエルは魔法で飲料水を生み出してお湯を沸かし始める。

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