もふもふ魔獣と平穏に暮らしたいのでコワモテ公爵の求婚はお断りです
「よそ行きの顔はしなくていい。ほら、座れ」

「では、遠慮なく」

 アルドに着席を促されたグランツが、向かい側のソファに腰を下ろして足を組む。

 主君たる王子を前にずいぶんと不遜な態度だったが、これが彼らの関係を示していた。

「なにか飲むか?」

「いや、先ほど美味い茶を馳走になったばかりでな」

 本来は敬語を使うべき相手にもかかわらず、グランツは砕けた口調で話しかける。

 それもそのはず、彼らは主従関係にあると同時に幼馴染であり、気の置けない友人でもあった。

ノイフェルト家は王族と親戚関係にあるのだ。そのため、二人は幼い頃から交流し、人のいないところでは友人として言葉を交わす。
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