記憶喪失のお姫様は冒険者になりました

📖手紙📖


あの日から早くも1ヶ月とちょっとが経った。
「バルーン国王様!こちらの…」
あれから大忙しだった。
お兄様の王位継承や私が無事に帰ってきたことを祝って1週間お祭りムードだったりや王の補佐をしたりで休みがなかったり…。
「疲れた〜!」
私は自室で体をぐっと伸ばす。
明日からは少しずつゆっくりできるよね。
「はぁ…」

あれからお父様とお母様は王位を剥奪され、この家から追い出された。
2人は今…どこで何をしているのかは私にはわからない。
調べようと思えば調べることはできる。
でも…関わることは許されない。
「結局…最後まで褒めてもらえなかったな」
お別れする時も「体調に気をつけて元気で」としか言われなかった。
お母様も…。
「お嬢様…」
ミルフィーは悲しそうにしていた。
私はそんなミルフィーに大丈夫だよってわらいかけた。
「そういえば…」
私は思い出したように言う。
ミルフィーは不思議そうに私の方を見る。
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