記憶喪失のお姫様は冒険者になりました
ドミー君とお母さんはぺこりと頭を下げた。
私は急なことにオロオロしてしまった。
「き、気にしないでください!あ!それから…」
私はドミー君のお母さんが怪我をしているのを思い出した。
「ドミー君のお母さん、手を出して頂けますか?」
私はドミー君のお母さんにそう言った。
きっとドミー君を探すのに相当疲れが溜まっているはず。
ヒールを使えばきっと疲れが飛ぶはず。
「手を…ですか?」
少し疑問に思ったみたいだけどスっと恐る恐る手を出してくれた。
「ありがとうございます!」
私は差し出してくれた手に自分の手を重ねる。
そして。
「ヒール」
と唱えると同時に重ねた手の中から光が溢れた。
これが光属性で癒しの力を持つヒール。
その人のレベル…ランクにもよるがどんな傷でも癒すことができる。
私は光の魔法が得意なので傷ならだいたい治すことが可能。
ちなみにクロさんは炎属性の魔法しか使えず他の水属性や光属性、闇属性などの魔法は使えないそうです。

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