記憶喪失のお姫様は冒険者になりました
じゃがシュティーナはあまりものを強請らなかった。
いつも笑っているが心の中では泣いているように見えた。
「お爺様、これよかったら食べてください」
学園で作ったとわざわざ持ってきてくれたシュティーナ。
その手の中には可愛らしいラッピングの中にマドレーヌが入っていた。
食べるととても美味しく、頬っぺが落ちてしまいそうだった。
料理の才能まであったとは…。
シュティーナはなんでも完璧にこなしてしまう。
何をしてもシュティーナは可愛かった。
そんなある日のことだった。
「なんじゃ、シュティーナのメイドじゃないか」
突然、わしの前に現れたのはシュティーナのそばにいつもいるメイドだった。
「シュティーナ様のお世話をしているミルフィーと申します。本日は大旦那様にお嬢様と旦那様達の件でご報告があり参りました」
ミルフィーとやらはそう言った。
シュティーナとアルバン達?
わしはそんな重大なことだろうと勝手思っていた。
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