記憶喪失のお姫様は冒険者になりました
たった1ヶ月半しかいないけどその1ヶ月半で私はクロさんの優しさを知っている。
だからわかる!
クロさんはきっと…私を探してくれている。
私はハッと…あることを思いついた。
ドミー君のお母さんを探した時の魔法なら…クロさんを見つけられるかな?
私はその場にピタリっと止まった。
そして1度、深呼吸をして息を整える。
ゆっくりと目を瞑り、クロさんを思い浮かべた。
…そして、私は再び走り出した。
『大丈夫か? お前…名前は?』
『俺と一緒にくるか?』
クロさんは何もなかった私にたくさんの物をくれた。
私はそれを返せているかは…わからない。
だけど私はクロさんのそばにいたい。
許される限り…。
『ミホ』
クロさんはきっとたくさんの屋台があるところにいるはず!
全速力で走ったため数分で着いた。
「!」
どうしてかな…。
「…ホ!…ミホ!」
どうしてこんな人混みの中から一目で…。
「クロさんっ!!」
貴方を見つけられるのかな?
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