記憶喪失のお姫様は冒険者になりました

お嬢様ならきっとなんでも似合うのだろう。
私はいろんなお嬢様を想像してしまう。
赤色の髪や青色、黒色に茶色…。
どれも素敵だ……！
「ん〜、桃色なんてどう？」
「桃色ですか？」
「うん！」
桃色のお嬢様も…。
私はまた想像してしまった。
うん、最高に可愛い！
「それで瞳も桃色にしようと思うの！」
お嬢様の無邪気を久しぶりに見た気がする。
とても楽しそうだった。
尊い……っ！
「よし、やってみるね！」
そう言ってお嬢様は立ち上がったり、目を閉じて1度息を吐いた。
ゆっくりと目を開けた。
「Change shape！」
そう言うとぶわっと風が吹き上げた。
キラキラと何かが光っている。
「よし！成功だわ！」
そう嬉しそうに言うお嬢様は私の知っているお嬢様ではなかった。
「お嬢様…Change shapeとはなんですか？」
私は目の前で起きていることが未だに理解でずにお嬢様に問いかけてしまった。
「Change shapeはね、姿を変える魔法よ！」