記憶喪失のお姫様は冒険者になりました
とクロさんは受付の人にそう言ってた。
そして少ししてから係の人がやってきてギルドの中へと通される。
通されて少し進んだ先にはなにやらいろんな道具が置いてあった。
『クロさん、これはなんですか?』
私は丸いガラス玉のようなものが気になってクロさんに聞いてみた。
クロさんはすぐに答えてくれた。
『これは自分がどの魔法を使えるかわかるやつだよ。炎だったら赤く、水だったら青とかね。あとは全部使える人は白い光がでるらしいよ』
『らしい?』
『全部使える人なんてそうそういないからね』
そうなんだ……。
そのあとすぐに私は魔法の測定をする水晶に手をかざした。
すると眩い光に包まれた。
私は眩しくて目を瞑る。
少しして光は小さくなった。
私はそっと目を開ける。
『……白…色?』
クロさんは言っていた。
『全部使える人は白い光がでるらしいよ』
今、水晶は白い光を放っていた。
『全魔法を……使えるの?』
私は今起きていることが信じられなかった。
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