記憶喪失のお姫様は冒険者になりました

それは偶然の出来事だった。
『大丈夫ですか?』
どこからかそんな声が聞こえた。
辺りを見渡すと2人の女の子がいた。
店の横、薄暗い細い道にいた。
1人はとても貧しい暮らしをしていそうな女の子でもう1人は……。
『怪我をされていますね。今、治しますからね』
そうニコッと笑うと回復魔法"ヒール"を使った。
その女の子は輝くような金色の髪。
そして水色の瞳。
『お姉ちゃん、ありがとう!』
『どういたしまして。これからは気をつけるんですよ?』
『うん!』
1人の女の子は走ってどこかへ行ってしまった。
すると反対側からもう1人の女の人がやってきた。
……メイド?
『シュティーナ様!!1人で勝手に歩き回らないでください!今はお忍びなのですよ!』
『ミルフィー!えへへ、ごめんなさい…』
『さあ、早く帰らないと旦那様に怒られますよ?』
『はーい!』
そう言って遠くへ行ってしまった。
『シュティーナ……様』
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