記憶喪失のお姫様は冒険者になりました
「よかったぞー!本当にシュティーナがいなくなったと聞いた時は心臓が縮まったわい!」
と笑いながらお爺様は言った。
心配症なんだから…。
私は心の中でクスッと笑った。
「まさか隣街まで捜索しているとは思いませんでした。私のことなどいらないかと思っていましたので」
そうわざとらしく3人の前で言う。
3人はビクッと肩が震えた。
「お爺様は誰から聞いたのですか?それに…お父様達の様子がいつもとは違う気がするのですが……」
私がチラッと3人を見て、お爺様に問う。
するとお爺様はピクっと反応した。
そして3人を睨みつけてから私を見て笑いながら教えてくれた。
「シュティーナのメイドのミルフィーという者から聞いた。お前がいなくなったこと。そしてあやつらがシュティーナにやってきたこと全てな」
「……ミルフィーが?」
私はミルフィーのことがずっと気がかりだった。
あの場所にミルフィーだけを残してきてしまって大丈夫だったのか。
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