記憶喪失のお姫様は冒険者になりました
ずっとそう思っていた。
記憶を思い出してからもその思いは強くなるばかり。
ミルフィーが……私のために…。
私は涙が溢れた。
するとお爺様の後ろから私が1番会いたかった人が姿を現した。
「お嬢様!」
「…ミル、フィー……っ」
ミルフィーは私の元まで小走りで来た。
そして私の顔を見てとても嬉しそうにして笑い、……抱きしめてくれた。
「ご無事で…心の底からホッとしました!」
「ミルフィー…ありがとう。それからごめんなさい……っ!手紙を書くと言ったのに…私はっ……」
1度も貴方に手紙を出せなかった。
それが本当に申し訳なかった。
合わせる顔がない。
ミルフィーは私のためにいろんなことをきてくれていたのに…私は……っ!
「いいのです、お嬢様」
ミルフィーは首を横に振って、私を抱きしめる腕にさらに力を込めた。
「こうしてご無事に戻ってくださっただけで私は嬉しいのです」
「ミ、ル…フィー」
今日の私は涙腺が緩みっぱなしだ……。
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