記憶喪失のお姫様は冒険者になりました
お爺様の問いに先生はハッとした。
お爺様が言ったことを…理解したのだろうか。
先生は俯いた。
そして…。
「いえ…。キャベン様は…とても心お優しいお方です……」
と、先生はそう答えた。
そう…思っていてくれてたんだ。
でも……なら、どうして?
どうしてあの時、そう気づけなかったのか。
お爺様は今度、そう質問した。
「私は…血を流していた生徒達の言うことがきっと…正しいと思い込んでしまいました。…悪いのは、全て…私…ですっ」
そう…先生は言った。
全てを諦めたような…もう先生はーー空っぽだった。
その後は先生達、それからメノア様達の処分の話になり、結果は…学園から追放し、メノア様達は爵位を一つ下に下げた。
校長と担任の先生は同じく学園から追放、また家紋の財産の一部を没収。

…これで学園の問題は一応は解決した。
残る問題は…。
「さて、次は貴様らの番だな」
お爺様は目を鋭くさせてお父様達を睨みつけた。
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