ブルー・ロマン・アイロニー
それは入学してまもない頃だった。
自己紹介が終わったあとの休み時間にひとりでいたわたしに声をかけてくれたのが、ナナちゃんと瑠衣ちゃんだったのだ。
────あまりって名前、変わってるね。
────ナナ。あっちで話そうよ。
────ちょっと待って。……ねえ、あまり。
気乗りしていない様子の瑠衣ちゃんの手を振り払って、ナナちゃんはわたしの目を見てはっきりとこう言ったのだ。
よかったら友だちになろうよ、と。
地味でなんの取り柄もないわたしは、友だちの作り方すらろくに知らなかった。
だから、向こうから手を差し伸べてくれたことにひたすら感謝して、こくこくとうなずいた。
そう、友だちになってしまったのだ。
その“友だち”がなにを意味しているのかも知らずに。