ブルー・ロマン・アイロニー


「あの、それで、なんで知ってるの?」

「ん?」

「えと、わたしが駅で、その……階段から落ちたってこと」


自分で死にかけたと明言するほど惨めなことってないと思う。

あえて言い換えてたずねたわたしに、ナナちゃんと瑠衣ちゃんが顔を見あわせた。

こいつはなにを言っているんだろう、とでも言いたげに。



「アズラ」

「はい」


ナナちゃんの玲瓏な声に反応したのは、メイドよろしく後ろにひかえていた女型のアンドロイドだった。

伏し目がちに背筋を伸ばしている立ち姿はまるで居眠りをしているようにも見えたけれど、アズラと呼ばれたアンドロイドはナナちゃんからの突然の呼びかけにも瞬時に反応した。


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