ブルー・ロマン・アイロニー


「スマホ」

「どうぞ。ナナさま」


アズラからスマホを受け取ったナナちゃんが、すいすいと操作をして表示させた画面をこちらに見せてきた。



「これ、映ってるのあまりでしょう」


見せられた画面を覗きこむ。

そこに映っているのは、わたしのよく知る最寄り駅の風景だった。

その中心には、階段から投げ出されて落ちていく、この高校の制服を着た女子高生が映し出されていた。


どうやら人の合間を縫って階段の上から撮られたものらしく、わたしの顔は誰かの頭に重なって隠れていた。

だけど、見る人が見たら、これはわたしだとわかるぐらいには特徴が出ている。


瑠衣ちゃんはすでにその動画を見ているのか、興味なさげに枝毛探しを再開していた。


< 15 / 239 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop