ブルー・ロマン・アイロニー
「スマホ」
「どうぞ。ナナさま」
アズラからスマホを受け取ったナナちゃんが、すいすいと操作をして表示させた画面をこちらに見せてきた。
「これ、映ってるのあまりでしょう」
見せられた画面を覗きこむ。
そこに映っているのは、わたしのよく知る最寄り駅の風景だった。
その中心には、階段から投げ出されて落ちていく、この高校の制服を着た女子高生が映し出されていた。
どうやら人の合間を縫って階段の上から撮られたものらしく、わたしの顔は誰かの頭に重なって隠れていた。
だけど、見る人が見たら、これはわたしだとわかるぐらいには特徴が出ている。
瑠衣ちゃんはすでにその動画を見ているのか、興味なさげに枝毛探しを再開していた。