ブルー・ロマン・アイロニー
「ナナが言いたいのは、そういうことじゃないでしょ」
「……ご、ごめん」
謝ると、よけい苛ついたように瑠衣ちゃんが犬歯のするどい口をあけて「セト!」とそばにいた男型のアンドロイドに呼びかけた。
セトと呼ばれたイケメンのアンドロイドが「はい」と返事をする。
「このバカに説明して」
「はい。……ナナさま及びマスターが申しているのは、貴女が接触したのがアンドロイドであったことから、それについて貴女がどう思ったのかを伺っているのです。なぜかというと──」
そこまで言われて、ようやくわたしも理解することができた。
それはあまりにも幼稚な質問で、それでいてこの世界ではとても重要なことだった。
「貴女がアンドロイドを所持していないからです」
八つの瞳がこちらを見つめている。
まるで責められているように感じて、わたしは黙って俯くことしかできなかった。