ブルー・ロマン・アイロニー
「はーやっぱわかんねえ。人間の笑いどころがわかんねえ。容姿でイジってくんのエグすぎだろ。なんで笑ってるんだ?いやそれよりもこのデブなんで笑えてるんだ?こんなんで金もらってうれしいのか?デブお前これ自分はよくても実家の母ちゃん泣いてっぞこれ。同意の上なのか?全て同意の上なのかこれは?わっかんねえ……」
その日の夜。夜ごはんを食べて終えてから学校の課題をしていたとき。
テレビがCMになったからか、ノアがひょいとプリントを覗きこんできた。
「……ん?お? なあ、これ……」
その反応にわたしはプリントから顔をあげる。
「え、なに?どこか間違えてる?」
「そうだな、2,3カ所……じゃなくて。これ、お前の名前?」
そう言ってノアが指差したのは、まぎれもなくわたしの名前だった。
「そうだよ。あまりって書いてあるじゃん」
「これであまり?天を織るで?天織?」
「だからそうだってば。しつこいなあ」
藤白天織、とシャープペンシルで書かれた部分を指でぐりぐりされる。