姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~
ゼルナの新しい一面に驚くのと同時に、凄い勢いで此方に迫ってくるルドとマルコに背を仰け反らせていた。
しかし直ぐに気持ちを切り替えて、ゆっくりしてもらう為と歓迎の意味も込めて、お茶を出さなければと声を掛ける。


「あ、あの……ルド様、マルコ様、紅茶とクッキーがあるので是非」

「ルドでいいよ!」

「そうそう。マルコって呼んで!様なんていらないから」

「ゼルナ様のお客様にそのような……」

「いいっていいって!それにオレ達……平民だよ?」

「だからお貴族様にそんな風に言われると萎縮しちゃうよ?」


平民だろうが貴族だろうが、ゼルナが心を許して仲がいいのなら大切な客人に変わりはない。

(……ゼルナ様が楽しそうで良かった)

三人で和気藹々と話している姿を見ていると微笑ましく思う。


「コイツらにはウェンディが焼いたクッキーは勿体ないよ!」

「でも……」

「本当に大丈夫だから!自分でやるから、ウェンディは休んでてッ」

「戸棚に昨日焼いたパウンドケーキもありますから」

「出さなくていいよ……!ウェンディが折角作ってくれたのに」

「はい。ですが、お二人共ゼルナ様の大切なご友人ですから……お口に合えばいいですけど」
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