姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~
(…………か、可愛い)
キラキラと神々しいオーラに目を細めた。
こんな可愛らしいゼルナが素手で猛獣を倒していたのだと思うと信じられない気持ちだった。
「…………眩しいですわ、ゼルナ様」
ラベンダー色の髪と瞳が太陽の光を浴びて幻想的である。
そんなゼルナの隣に自分が立つ姿を想像すると心配になってしまう。
「日差しがつよいかな?カーテンを閉めるかい?」
「いえ、大丈夫です」
「そう……?」
自分を落ち着かせるように慌てて水を飲み込んだ。
たとえ外見が変わったとしてもゼルナはゼルナだ。
「そんなに見つめられると照れるな。気になる……?」
「あの……そういう訳ではなくて」
「ウェンディ、遠慮しなくていいよ。何でも話して?」
「…………では、素顔を隠していた理由を聞いてもいいのでしょうか?」
「勿論だよ」
「どうしてですか……?」
「母譲りのこの顔がコンプレックスっていうのもあって。ほら……父上とは全然違うだろう?」
(ゼルナ様のお顔は、亡くなった夫人に似ているのね……)
ふと伏し目がちに言ったゼルナとテーブルにある見覚えのある仮面を見てハッとする。