姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~
ゼルナはその言葉に静かに首を横に振った。


「姉に比べてしまえば容姿も普通ですし、愛嬌もない……だから努力をして追いつこうと必死でした。相手に喜んで欲しい、そう思うあまりつい、尽くし過ぎてしまって……」

「………」

「でも、頑張っても尽くしてもダメだった……きっとフレデリック様にとって、私は都合の良い存在だった。どうでもよかったのでしょう」

「……ウェンディ」


待っていたのは予想もしなかった裏切りだった。
結局は全てを失ってしまった。

二人で一緒に愛を育んでいると思っていた。
幸せな未来を夢見ていた。
その愛は永遠に続いて消えないものだと思い込んでいた。

(でも、違った……)

今ならば、それは愛情ではないと断言できる。
ゼルナに対しての気持ちと比べてしまえば、全然違うことがハッキリと分かってしまう。


「その男は馬鹿だよ」

「え……?」

「ウェンディの努力を当たり前のように受け入れて感謝もしていない……話を聞く限りだけど、君の姉と婚約して初めて分かる事もあるんじゃないかな?今になって、絶対に後悔している筈だよ。彼の家族も」

「………そう、でしょうか」

「愛される事に慣れ過ぎてしまって、相手を思い遣れない男と一緒になってもウェンディは幸せになれない。捨ててやったと思えばいい……僕の方がウェンディを愛しているし、絶対に幸せに出来るから」

「ゼルナ様……」
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