姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~
「はぁ……最悪な気分だ!!この件はデイナント子爵に報告させてもらう」

「ちょっと!!ふざけないでよ……ッ!たかがこれくらいで報告なんて馬鹿じゃないの」


言い争う二人……ふと、ジャネットが此方に気づき目を見開いた。

先程の喧嘩を見られているとは思っていないのか、急にフレデリックと腕を組んでから思いきり体を寄せて無理矢理笑みを浮かべる。
恐らくフレデリックとの仲の良さをアピールしたいのだろう。

二人が寄り添う姿を見て、体が強張って動けなくなった。


「もういいわ、フレデリック」

「は……?」

「ねぇ、見て……ほら、あそこに」

「……っ」


フレデリックは怒りながら「何なんだよ!」と小さく声を上げたが、視線の先に気付いたのか、ゆっくりと振り返る。


「ウェンディ……!」


驚くフレデリックと目が合うと、ズキリと胸が痛んだ。
自らを落ち着かせるように胸元で手を握る。


「久しぶりだな、ウェンディ!いつ王都に……?デイナント子爵も夫人も寂しがっていたぞ?君が嫁いで行ってからなかなか顔を出してくれないからと」

「…………ぁ」

「見た目が変わった……?すごく綺麗になったね」

「……っ」


フレデリックのその言葉を聞いた途端、ゾワリと鳥肌が立つ。
横ではジャネットが勝ち誇ったような笑みを浮かべている。
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