姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~


「お気遣いありがとうございます……!嬉しいです!!」

「積もる話もあるだろうから、僕は一旦席を外すね」

「ゼルナ様、ありがとうございます!!」

「いいんだよ。ウェンディ……楽しんで」


パタリと扉が閉まる。
母はもう一度、強く強く体を抱きしめてくれた。


「ごめんなさい、ウェンディ……母親として情けない限りだわ。あの子の我儘のせいで、ウェンディを苦しめてしまった」

「お母様のせいじゃないわ……!」

「いいえ……まさかジャネットがあんな事をするなんて!旦那様だって何を考えているのか……!わたしはその事が許せなくて、あの人とあれから全然口を利いていないのよ?」

「お父様と……!?」

「ええ、でもスッキリしたわ!今までは"わたしがしっかりしなくちゃ""頑張らなくちゃ"……いつもそう思って我慢していた。口を出してぶつかる事もあったけど、仕事はしていたのに……今は」

「…………」

「最近はニルセーナ伯爵夫人の対応が面倒くさいからって、愛人の所にばかり逃げて、わたしに全ての事を任せきりなのよ!?ジャネットの事も放置して……!!あの人の事なんて、今はもうどうでもいいわ!!」

「……信じられない」

「そうでしょう?わたしもよ……!それに今回の件で愛想が尽きたわ。勝手にすればいいのよ!!わたしも勝手にするから」

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