姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~

そしてゼルナと初めて参加する建国記念パーティーの日ーー。

母はアルフの事が気掛かりなのか食事も喉を通らないようだったが、どうやら母を慕っていた屋敷の者達が、アルフを守るように立ち回ってくれているようだ。
手紙が届き、アルフと連絡が取れた事で安心したのか、やっと顔色が良くなってきた。

父の愛人は屋敷に来たとしても何をする訳でもなく、現状は変わらない。
父との仲も崩れ始めたのだと書いてあった。

そして今日のパーティーで、フレデリックとジャネットと顔を合わせる事になるだろう。

(……お姉様には負けたくない。絶対に)

朝から気合を入れて準備していた。
オーダーした優しいラベンダー色のドレスを着用する。
レースが重なるようにしてボリュームが出ておりグラデーションになっていた。
胸元には細かな刺繍が入っており、一目で手が込んでいることが分かる。

デザインはゼルナが選び、色は自分で指定した。
ゼルナの瞳の色に合わせたのだが露骨かもしれないと恥ずかしさもあったが、彼はとても喜んでくれた。

結婚してからキチンとドレスアップするのは初めてのことだった。
変ではないかと鏡の前でチェックしていると、後ろではハーナと母がハンカチで涙を拭っている。

ハーナは亡くなったマルカン辺境伯夫人を思い出しており、母は娘の以前とは全く違う輝きに満ちた姿に感動しているようだった。
< 190 / 215 >

この作品をシェア

pagetop