姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~
「二人共……大丈夫?」

「奥様を思い出しますわ……お美しいですッ!ハーナは感激致しました!!」

「綺麗よ……ウェンディ!本当に良かった!!」

「あはは……」


そんな二人を苦笑いしながら見ているとコンコンと扉をノックする音が聞こえた。
返事を返せばゼルナが部屋に入ってくる。


「ゼルナ様……!」

「…………!!」


そのまま固まって動かなくなった彼の姿を見て不思議に思い名前を呼ぶ。


「あの、ゼルナ様……?」

「…………」


目の前で手を振るが、彼は時が止まったように反応を示さない。
いつにも増して美しいゼルナの姿に、照れながらもチラチラと視線を送っていた。
暫くするとゼルナの頬が真っ赤に染まっていき、勢いよく顔を背けてしまった。
それにつられる様にして此方まで顔が赤くなってしまう。


「……」

「……」

「ふふっ」

「あら、まぁまぁ」


ハーナと母の笑い声が響く。
二人で照れていると、ゼルナの後ろに待機していたセバスチャンが「遅れてしまいますよ」と優しく声を掛けてくれた。

嬉しそうにハンカチで目元を押さえる母とハーナに手を振って馬車に乗り込んだ。
 
ドキドキと緊張する胸を押さえていた。

ゼルナは緊張をほぐすように優しく声をかけてくれた。
会場に到着して、ゼルナのエスコートで馬車を降りる。

二人で目を合わせてから微笑んでから歩き出した。
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